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啓蟄 けいちつ

数年前に行った長崎鼻の菜の花

【 二十四節気 】(一年を15日ごとにわけたもの)
啓蟄 けいちつ  3月5日〜3月19日頃
土の中で冬籠していた色々な虫や生き物たちが土を啓(ひら)き、地上へと這い出してくる頃


【 七十二候 】(二十四節気をさらに5日ごとにわけたもの)
初候 / 蟄虫啓戸 すごもりのむしとをひらく  3月5日頃〜
冬籠りをしていた生き物たちが春の日差しのもとに出てくる頃

次候 / 桃始笑 ももはじめてさく  3月10日頃〜
桃のつぼみが膨み、花が咲き始める頃

末候 / 菜虫化蝶 なむしちょうとなる  3月15日頃〜
大根やキャベツの葉につく菜虫(青虫)がさなぎから羽化して美しい蝶となる頃


二十四節気は雨水から啓蟄へと変わりました。次はもう春分です。まだまだ寒い日が多いですが、春の旬な食べ物や動植物たちが見られるようになり、確実に春に向かっているのを感じます。

「啓蟄 」「すごもりのむしとをひらく」
春の日差しを受けて虫たちが地上へ出てくる様を「戸を啓(ひら)く」と言い表しているところが何ともよいですね。この啓(ひら)くという漢字には「閉じたものをあける・未知のものを明らかにする・教えみちびく 」という意味があるとのこと。時には農作物の天敵にもなる虫の存在であったと思いますが、春が来てるよと教えてくれる虫や生き物たちへの、敬意が感じられるような、昔の人たちが小さな命と共存していた証のような、言葉選びだなあと思いました。

綺麗な花や植物の写真だけをついつい載せがちなのですが、その周りには春を待ち侘びた虫や生き物たちも元気に飛んだり動いたりしていますよね。
数年前の3月後半に行った長崎鼻の菜の花畑。肌寒さも感じられるこの時期は、まだ虫たちもそこまで多く見られませんでしたが、花の蜜を吸いに飛んでいるミツバチやチョウ、虫たちの姿もなんだか和やかで愛おしく感じられますよね。


この日は人も少なく天気も良く、青空と菜の花の黄色一面のコントラストが本当に綺麗でした。今はまだ二 〜五分咲きらしいですが、(*長崎鼻のHPで菜の花の開花状況を教えてくれています。)これから一面に咲き誇るビタミンカラーを目に入れて、何かとパワー不足や不調になりがちな春のぐずつき感を吹き飛ばしに、また自然の力をちょっとだけ借りに行きたいなと思いました。

お店では、クロシェットデボアさんが花屋でセレクトしていた可愛らしいチューリップ、桃の花、コデマリを活けています。数本の花からも癒しとパワーをもらってます。

雨水 うすい


【 二十四節気 】(一年を15日ごとにわけたもの)
雨水 うすい  2月19日〜3月5日頃

【 七十二候 】(二十四節気をさらに5日ごとにわけたもの)
初候 / 土脉潤起 つちのしょううるおいおこる 2月19日頃〜・・・冷たい雪が温かい春の雨に変わり、大地が潤い始める。寒さも緩み、眠っていた生き物たちももうすぐ目覚める

次候 / 霞始靆 かすみはじめてたなびく 2月24日頃〜・・・ 霧もやもやで遠くの山や景色が美しく、豊かな表情を見せる、かすみとは春に出る霧のことで、夜の霞は朧(おぼろ)という

末候 / 草木萌動 そうもくめばえいずる 3月1日頃〜・・・ やわらかい春の日ザリの中、潤った土屋草木から、淡い緑に色づく新芽が芽生える


二十四節気では”立春”が過ぎ「雨水 うすい」 へと変わりました。季節の始まりとも言える”立春”をすっかり飛ばしてしまいましたが、雨水は山の雪や氷が溶け出し水になる「雪解け」のころ、昔から暮らしの中では「農作業の準備」の合図でもあるようです。

三寒四温を繰り返し、段々と寒さが和らいでくる時期でもありますが、春の芽吹きも日毎に感じられるようになりました。

家の小さな畑には、ところどころ蕗(ふき)のとうができていたので今年は早めに収穫して母が天麩羅に。毎年収穫が遅くなり、ちょっとえぐみが強いけどまあ美味しいねと食していたのですが、ちゃんと食べ頃を狙って早めに収穫したら別物のように美味しかったです。旬な食べ物の旬な味わいは一瞬を逃さず収穫しないといけないのですね。野菜や旬なものを一番美味しい状態で出荷してくれる農家さんに改めて感謝の念が湧いてきます。秋冬に旬の蓮根も、この時期は天麩羅にするととっても美味しいですよね。



なんとなく食べ過ぎはいけないのではと思っていた”ふきのとう”。実はのあの苦味の生分「ペタシン」がガン抑制に効果があるという記事を見かけました。これは心置きなく、、、と思いましたが、まあ何でも食べ過ぎはよくないですね。



お店には、梅の花が出回っていたので活けてみました。もうすぐ桃の節句、日出町にもひな飾りが一般公開され、各店ではひなまつり限定メニューなどが召し上がれるそうです。今日からみなさん3連休、残念ながらお出かけ日和とはなりませんが、日出町にお越しの際は、当店にもお寄りいただけたら嬉しいです。


大雪 たいせつ

12月7日 大雪 の日 海も夕焼け色に染まっていました

【 二十四節気 】
大雪 たいせつ 12月7日頃

【 七十二候 】
初候 / 閉寒成冬 そらさむくふゆとなる(12/7 頃)
・・・天地の気が塞がれ、冬がおとずれる頃
次候 / 熊蟄穴 くまあなにこもる(12/11 頃)
・・・ 熊が冬ごもりの時期に入り、穴にこもる頃
末候 / 鮭魚群 さけのさかなむらがる(12/16 頃)
・・・ 鮭が川を遡上する頃

12月9日 風も波もなく湖のように穏やかな別府湾

二十四節気は小雪(しょうせつ)から大雪(たいせつ)に変わりました。山々は雪で覆われ、本格的な冬の到来。さかんに雪が降り積もる頃とされていますが、今週末にいたっては、気温が20℃になるところもあるとか。九州は昨年クリスマスの頃に雪がふりましたが、今年はどうでしょうか。クリスマスやお正月の準備に大掃除、忙しさが増す師走。うかうかしてるとあっという間に年を越してしまいます。

さて、大掃除といえば年末というイメージがありますが、そのルーツとなった「煤払い」は12月13日だそうです。新年の神様である「年神様」をお正月に迎えるために1年分の汚れを落とす行事「すすはらい」。ニュースでよくお寺の僧侶たちが横一列にまっすぐ並んで、端から順に叩いていくというのをよく見ますよね。


12月に入ると急になんとなく掃除に目が向いてきて、少しずつ普段やらないところの掃除や整理などむくむくとやる気が湧いてきます。そして、掃除道具や洗剤なんかを新調したり、ついつい買いすぎてしまったり、、、掃除道具も使い続ける道具と使わなくなる道具と必ずあるのですが、みなさんはどうでしょうか。

最近はアナログな道具や手法が結局いいかもと思うことが多いのですが、例えば”ほうき”は部屋でも庭でも、お店でも、床用やテーブル用やいろんなタイプのほうきが何本もありますが、使い分けてほとんどのほうきを使っているような気がします。コンセントも充電もいらず、さっと使えて手の動きに合わせてこまかい動きができて、なんて優れものなんだと思うのです。天然素材のほうきは、出しっぱなしでも壁などにかけてインテリアにも馴染みますしね。


アナログな掃除の手法といえば欠かせないのではと思うのが新聞紙。つい先日換気扇のフードを掃除したのですが、新聞紙を丸めて水と重曹で拭き取ると、一度にとはいきませんが何回か繰り返すと、べとべとぎとぎと油がとっても綺麗になります。とくに新聞紙のインク多めなところで拭き取ると汚れがよく取れて、新聞紙って本当に色々と使えて便利ですよね。

学生の頃、学校でも普段の掃除とは違う「大掃除」があった気がするのですが、窓ガラスを水で濡らした新聞紙でふいていた記憶が思い出され、記憶力のない私がなぜかあの場面だけ断片的に記憶として鮮明に残っているのが不思議です。きっと「新聞紙よく取れる〜!」と今と変わらない小さな感動をしただけの何のエピソードもないただの記憶だったような気はします。現代の学校の掃除でも新聞紙で汚れをとっていたりするのでしょうか。
それにしても、先日のように手袋をするのを忘れて手がインクで真っ黒になるのだけは避けたいと、次回には必ず思い出したい記憶としてインプットしたいと思いました。


掃除の話なのか記憶の話なのか今回も脈絡のない話になりましたが、せっかく湧いてきた掃除のやる気が消えてしまわないうちに、目を背けていた箇所に取りかかり、清々しく気持ちよく「年神様」をお迎えしたいと思いました。


小雪 しょうせつ

【 二十四節気 】
小雪 しょうせつ 11月22日頃

【 七十二候 】
初候 / 虹蔵不見 にじかくれてみえず(11/22 頃)
・・・曇り空が多くなって虹を見る機会が少なくなる頃
次候 / 朔風払葉 きたかぜこのはをはらう(11/28 頃)
・・・ 「朔風」は北風のことで、冷たい北風が木の葉を落とす頃
末候 / 橘始黄 たちばなはじめてきばむ(12/3 頃)
・・・ タチバナの実が黄色く色づき始める頃

11月最後の日
日中は暖かだった九州もようやく
二十四節気でいう「小雪 しょうせつ」らしく
太陽の光りが遠くなり曇り空の多い
冬らしい色になってきました

今年もクロシェットデボアさんにお願いしていた
テーブルツリーが届きました
やっぱりこの杉の香りがたまらなくよく
テーブルにちょこんと並ぶ姿にも癒されます

小雪(しょうせつ)から大雪(たいせつ)に向かって
陽射しが弱くなり北風が木の葉を落とし
いちょうや柑橘類は黄色く色づくころ
寒さが厳しくなり冬支度やお歳暮・年末の準備に向けて
忙しくなってきますね

そして何年越しと言っていいかのオンラインショップが
やっと近々オープンできそうです
なんだかタイミングが違う気もしますが
オープンしましたらまたお知らせいたします

引き続き林裕司さんの陶展も開催中です
個別にご紹介したいお皿や鉢物、ピッチャーなど、、、
こちらも追ってご紹介してまいります

11月末日の本日も18時までご来店お待ちしてます

林 裕司 陶展 「 むすひ 産魂 」
– 海の階 umi no kizahashi - 
11月23日(木) 〜 12月12日(火) 12時 – 18時 
■ 作家在店日 11/23(木)、12/2(土)、12/3(日)
■ 会期中休み:水曜定休日のみ

立冬 りっとう

【 二十四節気 】
立冬  りっとう 11月8日頃

【 七十二候 】
初候 / 山茶始開 つばきはじめてひらく(11/8 頃)・・・さざんかが咲き始める頃
次候 / 地始凍 ちはじめてこおる(11/13 頃)・・・ 大地が凍り始める頃
末候 / 金盞香 きんせんかさく(11/18 頃)・・・ 水仙の花が咲き始める頃

暦の上では、8日から「立冬」となりました。朝晩の冷え込みが増し、日中の日差しも弱まり、木枯らし1号が吹いて、これから冬が始まりますよ〜っという季節のお知らせの頃。ラジオでは、紅葉のお知らせをしていたかと思ったら「こたつ開き」の話もでてくるくらい朝晩の冷え込みをすごく感じるようになりました。


とはいえ、大分の紅葉の見ごろはこれから。写真は数年前紅葉の時期に行った志高湖と富貴寺。山全体が色づく東北の紅葉には敵いませんが、悠々自適な白鳥を横目に色づく木々を見ながら湖を一周するのもなかなかよいものです。とくにこの時期、ふかふかの落ち葉の上でのキャンプは最高です。

九州最古の木造建築物であり国宝に指定されている富貴寺、上を見れば色づくいちょう、下を見ればいちょうの絨毯、紅葉の時期のライトアップは本当に見事です。まだまだ大分に帰ってきてから見れていない紅葉の名所、耶馬溪や文殊仙寺、岡城跡や用作公園などなど、、、見たいところがたくさんです。

大分の紅葉すでに終わっているところも、、、
実は立冬に入った8日、とても久しぶりに久住山に登ってきました。残念ながら紅葉の時期はすっかり過ぎており冬の色でしたが、風もなく登山日和な暖かな日差しと気候で、とても気持ちの良い登山を楽しめました。4年前の由布岳に続く何十年ぶりかの大分の山、久住山。

自分的には由布岳の方がきつく感じましたが、標高は久住山の方が200mも高い。一気に上り詰める由布岳とのぼり下り平坦な道も多い久住山、その違いなのでしょうね。ちなみに大分で一番高い山は、久住山のお隣の「中岳」。九重連山に属する山が標高の上位に入っています。どうりで紅葉シーズンもひと足早いわけですね。

どちらにしても山登りの楽しみは、自然の景色と達成感、そして山の上で食べるカップヌードルと帰り道の温泉。どの山を登ってもこれは格別だと改めて再認識した大分Uターン後のたった2回目の登山日、、、なんだか一年に何回も登ってるような口ぶりですみません。。。山登りは年に1、2回ペースが自分の体力的にもちょうどよさそうだとも再確認しました。ところでそんな標高の高い山に、色々な方面からたくさんの園児たちが登っていたことに感心、そしてず〜っと元気。小さい体でそのエネルギー、どこに蓄えているのかと本当に驚きでした。いいですね、山の上で子供の声、元気をもらいます。


さて、立冬の初候「つばきはじめてひらく」とありますが、椿の仲間のさざんかが中でも先立って咲くのだそう。花の形状も違いますが、大きく違うのは椿は花首からぽとっと落ち、さざんかは花びらが散っていく、、、どちらも近くで咲いているのに、言われてみればそうかもとしか気づいていませんでした。今度はそんな違いにも気を留めて、椿とさざんかを見てみようと思いました。

「霜降」 霜始降 霎時施 楓蔦黄

【 二十四節気 】
霜降 そうこう 10月24日頃

【 七十二候 】
初候 / 霜始降 しもはじめてふる(10/23 頃)・・・霜が降り始める頃
次候 / 霎時施 しぐれときどきほどこす(10/28 頃)・・・ 小雨がしとしと降るようになる頃
末候 / 楓蔦黄 ふうかつきなり(11/2 頃)・・・ モミジやツタの紅葉が始まる頃

よく庭先で見かける柿の木、この枯れ木にしなってなっている感じがいいですよね。


二十四節気では「寒露」が過ぎ「霜降」となりました、、、という記事をあげようと途中になってしまい、あれよあれよともう2日後には「立冬」です。今頃この記事を書くのもどうかなと思いましたが、飛ばすのも何となく気持ちが悪いので、いつにも増して何の意味があるのかわからない四季雑記となりそうです。。。

白く可愛い秋明菊


「霜降」秋の最終期、朝露が霜へと変わる頃。
霜が降り始め、小雨がふるようになり、山は紅葉で色づいていく、、、七十二候に記してあるように、季節の移ろいはこまやかに冬への準備をしていくのですが、年々秋が秋でないような暖かさ。今年の3連休にかぎっては日差しが差すくらいの夏日となり、秋晴れで嬉しいなを通り越して、各地の災害を見ても地球の悲鳴を見過ごせない状況となっています。

そんなことを書きながらも何もできない自分、いやしていない自分、不甲斐ないですね。。。

おそらく「丸葉縷紅」と書いて「マルバルコウ」という野草。見過ごしてしまいそうな小さな野草です。


二十四節気・七十二候を見ていくことは、自然と共存しながら慎ましく四季ある生活の中で生きてきた昔の日本人の知恵や教えがあるように感じて、そんな意味でも先人の四季のうつろいをなぞらえ感じていきたいなと、そう思った次第です。

なんだか反省文のようになりましたが、これからもつらづらと四季雑記を書いていきたいと思います。

場所柄とってもとっても生えてくる健気でたくましい秋桜





「寒露」鴻雁来 菊花開 蟋蟀在戸

【 二十四節気 】
寒露 かんろ

【 七十二候 】
初候 / 鴻雁来 こうがんきたる(10月8日頃) ・・・ガンが渡来し始める頃
次候 / 菊花開 きくのはなひらく(10月13日頃)・・・ キクの花が咲き始める頃
末候 / 蟋蟀在戸 きりぎりすとにあり(10月18日頃)・・・ キリギリスが家の中で鳴き始める頃

いつの間にか「秋分」の時期は過ぎ「寒露」となりました。
寒露・・・草花に降りる露が冷たく感じる頃

朝晩冷え込む日がありましたが、ここ数日は秋の空気、気持ちの良い秋晴れが続いていてほっとしています。


秋を表す言葉に「食欲の秋」「天高く馬肥ゆる秋」「秋の日はつるべ落とし」という言葉がありますが、今でも何となく空を見上げたり、夕暮れ時になったらつぶやいたりしている言葉ですよね。天高く馬肥ゆる秋は、中国からきた言葉で、元の由来となった詩は想像する清々しい意味合いとは違うようで、収穫物を奪いにくる肥えた馬に乗った敵を警戒する言葉だったとか。

また、秋の日のつるべの “つるべ”とは、井戸水を組み上げる時に使われる道具のことらしく、こちらも現代人はほとんど見かけるものではないですが、こうやって言葉だけ残っていくのも、その言葉が持つ響きに共感する部分が多い日本人の特質だったりするのでしょうか。

秋は収穫の季節、そして日本全国で収穫の感謝と翌年の豊作を祈願する秋祭りが行われ、秋もお祭りが多い季節。毎年「茅の輪くぐり」でお世話になっている日出若宮八幡神社でも10月14日、15日は秋の「例大祭」が行われます。


今年は4年ぶりに規模を縮小せずに行うそうで、個人的に祭りの楽しみどころな「お神楽奉納」と露店はもちろん、「毛槍捻り演武 」や「海上渡御」そして17年ぶりに復元奉納される「辻間楽」など、神社ならではの神幸祭も見どころです。


あっという間に過ぎゆく過ごしやすい秋の気候、みなさんそれぞれに楽しみごとがあるかと思います。このまま穏やかな秋晴れを満喫できるとよいですね。

「秋分」 雷乃収声 蟄虫培戸 玄鳥去

【 二十四節気 】
秋分 しゅうぶん

【 七十二候 】
初候 / 雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ(9月23日頃) ・・・雷が聞こえなくなる頃
次候 / 蟄虫培戸 むしかくれてとをふさぐ(9月28日頃)・・・ 冬支度のため虫たちが土に潜る頃
末候 / 玄鳥去 みずはじめてかるる(10月3日頃)・・・ 田んぼの水が抜かれ収穫の最盛期の頃

春分と同じように昼と夜の長さが同じになる頃。陽が落ちるのが本当に早くなりましたね。これから段々と夜が長くなり冬に向かっていきますが、日中が短くなっていくこの時期、変な焦燥感みたいなものが出てくるのは私だけでしょうか。「暑さ寒さも彼岸まで」言葉通りぐっと秋の気温になったかのように感じましたが、今年は来週また、蒸し暑さが戻ってくるようです。

二十四節気のうち「春分」と「秋分」だけ祝日なのは何か意味がありそうですね、と前回お話ししましたが、やはり古くからの風習でお彼岸とも関係しているようです。


その昔「春季皇霊祭」と「秋季皇霊祭」という宮中の霊を祀る儀式が、春分の頃、秋分の頃にそれぞれ執り行われ、それが国民の祝日に変わったのだそう。現代のお墓参りとも通じており、春分の日と秋分の日を”中日”として7日間「お彼岸」の期間と定められ、みなさんこの期間にお墓参りへ行ってご先祖様を供養したり感謝したりしていますよね。かくいう私も、昨日お墓参りにいってまいりました。

終盤にはお供えしたおはぎをいただくのが楽しみ、、、。春は牡丹の「ぼたもち」、秋は萩の「おはぎ」同じものですがお彼岸の時期に咲く花によって、言い分けられていることはご存知の方も多いかと思いますが、とはいえいつでも食べられる和菓子、みなさんはどちらの呼び方が馴染んでいますでしょうか。ちなみに私は「おはぎ」ですが、お店でどちらが多く書かれているかにもよるかもしれませんね。



話がそれましたが、二つの祝日の「由来」はあまり知られていないかと思いますが、今ではもっと親しみやすい意味合いで、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、秋分の日は「先祖をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日」として祝日に関する法律に定められているそうです。

あと、大きい季節の変わり目として、この時期に体を労わりましょうという意味合いもあるようです。確かにこの二つの季節の変わり目、体調崩しやすいですよね。私はこの時期、寒暖差アレルギーの鼻炎との闘いです。

秋分のこの日は穏やかな景色。先日の雷雨では、山の向こう側から物凄い稲光が近づいてきました。


天候も季節の変わり目は動きが激しいですよね。というのも、数日前夕方になると雷雲がものすごい雨と稲光とももに別府の山の向こうから近づいてくるのが見えて、すぐ近くで何度か雷が落ちたからです。ご近所さんに聞いてみると電子機器が壊れたり、停電したところもあったそう。

強烈な音と光、そしてバケツをひっくり返したようなどしゃぶり、急な天候の変わりように自然がパワーアップしてしまうと、人間は本当になす術がないですね。なので、季節の候で雷が聞こえなくなる頃なのだと言われるとほっとします。


稲光、つい写真に納めようとしましたが、物凄い早さで通り過ぎました。そんな写真よりせっかく秋桜が咲き出して活けてみましたので、そちらを。この秋桜、秋だけでなく毎年初夏も咲くのですが、やはり秋に咲いている方が似合いますね。そしてアフリカのかごとも何となく合うなあと思い並べてみました。どこにでも見かけて親しみのある秋桜、何度目にしても新鮮な気持ちで可愛らしい花だなと思います。秋もたくさんの花々が咲く時期。10月にはクロシェットデボアさんの「秋の出張花屋」の予定です。ぜひ楽しみにしていてくださいね。

「白露」 草露白 鶺鴒鳴 玄鳥去

【 二十四節気 】
白露 はくろ

【 七十二候 】
初候 / 草露白 くさのつゆしろし(9月8日頃) ・・・草の露が白く見える頃
次候 / 鶺鴒鳴 せきれいなく(9月13日頃)・・・ セキレイが鳴き始める頃
末候 / 玄鳥去 つばめさる(9月18日頃)・・・ ツバメが南下する頃

「処暑」が終わり「白露」となりました。約15日過ぎると次は「秋分」です。二十四節気のうち春分と秋分だけ祝日ですね。意味がありそうなので、その辺はまた秋分の日にでも。白露、夜中に大気が冷え、草花や木に朝露がつく頃。昔の人はこの露が白濁して見えることを夏から秋への交代の目印にしていたそうです。まだ露らしきもの見かけませんが、早起きして草花を見たら、露がついているのかもしれませんね。


家のかぼすが実り出しました。初夏から出回っていますが、9月10月が一番香りもよく味も美味しいと思います。毎年つくっているかぼすシロップ、いつも果汁を絞ってシロップと合わせていますが、今年はきび砂糖につけてみました。さて、美味しくできるかな。皮は苦いのでピールにと思いましたが、ピールにしてもなかなかの苦さ、見た目も悪いけどまあ食べられなくはないな、と。なんせ、大ざっぱな人間なので、半分レシピ通り、半分テキトーにつくってしまうのでしょうがないですね、、、



かぼすは、ビタミンCたっぷり。中に含まれるクエン酸は胃腸が弱っている時や頭痛や疲れがある時などに効果があるので、夏の疲れが出やすい今の時期にぴったりですね。

かぼすとすだち、よく似ていますが、かぼすは大分の名産、すだちは徳島の名産。すだちは一年中全国的に出回っていますが、かぼすは8月から11月に出回り、この時期最も旬を迎えて一番食卓に並びます。似ているようで、香りも味も全く違いますよね。もちろん、どちらも美味しくそれぞれに違うよさがあります。東京にいた頃はすだちを使っていましたが、大分に帰ってきてからはかぼす一択。スーパーにたくさん出回り、庭に植えているお家も多いので、大分に住んでいたらかぼすだらけになるのは当たり前ですね。みなさん、それぞれおすすめの食べ方があるかと思いますが、私は”しらすにかぼすだけをかけて食べる” 。日出町の隣町、杵築のしらすも美味しいので、この組み合わせが最高に美味しいなあと思っています。まあ、何でも美味しいですけど。

うちにはかぼすの木は2本あるのですが、今年はこの2本のうち1本しか実っておらず、今年は表年なのでたくさん採れるぞ〜!と楽しみにしていただけに、ちょっとがっかり。原因はどうやら”剪定”のようです。1本は剪定して、もう1本は剪定をしなかったようです。美味しい実をつけるためには、適切な時期に適切な選定が必要のようです。かぼすの適切な剪定時期は2〜3月だそうで、最近は木の剪定がちょっと面白いなあと思っているので、今度自分でやってみようかなと思います。これで、来年かぼすがわんさか実ったら、、、、宝くじがあたったらみたいなトーンで『欲』がかぼすに伝わってしまいそうですが、間違いなく剪定にはまりそうです。

「処暑」綿柎開 天地始粛 禾乃登

【 二十四節気 】
処暑 しょしょ

【 七十二候 】
初候 / 綿柎開 わたのはなしべひらく(8月23日頃) ・・・綿を包むガクが開き始める頃
次候 / 天地始粛 てんちはじめてさむし(8月28日頃)・・・ 天地の暑さがようやくおさまり始める頃
末候 / 禾乃登 こくものすなわちみのる(9月2日頃)・・・ 稲が実る頃。「禾」は稲穂の実りの象形文字

立秋が過ぎ「処暑」になりました。「処」には止まるという意味があり暑さが峠を超え、段々と和らぐ頃
と言っても日中はまだまだ暑さ厳しいですね。

ただ朝晩は外に出ると少しひんやりした空気を感じるようになり夏の終わりを告げる涼しげな虫の声もひと声大きくなってきました。



旬を迎えた無花果、花がない果実と書いていちじく。その名の通り外に花は咲きませんが、実は実の中のつぶつぶが無花果の花だそうです。前回、いちじくはそのまま食べるより加工したほうが好みです、、、なんて言いましたが撤回。今年は甘くて美味しいできのいい実がなり、食べ頃を食べたら、そのままも美味しいと感じました。



いちじくは夏に実をつけるものと秋に実をつけるもの、夏と秋に両方に実をつけるものとあるとのことで、うちの木は夏と秋両方に実をつける木。植えた親もそのことを実がなってから知ったようで、長く楽しめてラッキーだっだよう。と言っても、最初についた実の方が大きくて甘く、段々と小さくなっていくようです。



実はいちじくは不老長寿の果物と言われていて、カリウム(血圧抑制)、食物繊維ペクチン(整腸)、タンパク質分解酵素 (消化促進)などを含む栄養面に優れた果物だそうです。それを聞いたら、毎日食べたらよさそうだ、と単純な欲が出て人間イヤなものです

毎年、採れたいちじくやブルーベリーは母がジャムにします。いちじくの実は、水分が多いのか見た目より少ししかできない、と嘆いていました。ジャム作りの最後、レモンなどの酢を入れるのですが、ない時はかぼすを絞って入れています。母はかぼすの味が強くなるから少しだけいれると言いますが、私はこのかぼすが強い感じも美味しいなと思っています。かぼすも実り始め、旬を迎えます。次回は、このかぼすのことを書きたいと思います。