四季・風土雑記」カテゴリーアーカイブ

昔の人が感じていた季節の移ろい「二十四節気 七十二候」 のこと、
土地に根ざす食や文化、風習などについて気ままな雑記です。

秋分 水始涸(みずはじめてかるる)

二十四節気 】秋分(しゅうぶん)9/22~10/8頃

昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に日の出が遅く、日の入りが早くなり、
秋分の日を中心とした1週間がお彼岸です。

【 七十二候 ・末候 】水始涸(みずはじめてかるる) 10/3〜10/8頃

田の水を落として、稲穂の刈り入れを始める頃。「米」という字にかけて「米つくり
には八十八の手間がかかる」と言われているそうですが、丹精込めてつくられるお米
は、これから稲刈りや種もみの時期に入ります。

刈った稲を天日干しすることは、手間がかかるため今ではだいぶ減ってしまったよう
ですが、天日干しでアミノ酸と糖の含量が高くなり、稲を下にぶらさげるように干す
ことで、稲藁に残っている養分がじわじわと稲に落ちていき、旨みと栄養分も増すと
いわれています。

天日干しされている稲が夕日に照らされ黄金に染まる光景は、日本の心の風景と言っ
ても過言ではないように思います。丁寧で美味しい米つくりをしている田んぼでしか
出会わない、貴重な風景となりつつあります。

秋分 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)

今が旬:里芋のツル

二十四節季 】秋分(しゅうぶん)9/22~10/8頃

昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に日の出が遅く、日の入りが早くなり、
秋分の日を中心とした1週間がお彼岸です。

【 七十二候 ・次候 】蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) 9/27〜10/2頃

外で活動していた虫たちが冬ごもりの支度をはじめる頃。虫たちは秋冬が
終わるのを、約半年間も土の中で静かに待ちます。そして、啓蟄の頃に再
び姿を現します。

写真は、お客様からいただいた、旬の野菜・里芋のつるです。里芋のつるがこんなに
可愛いとは、身近な野菜や果物が普段どういうふうになっているか、知らないことの
方が多いですもんね。

里芋のぬめりは胃腸を守る働きがあるそうで、濡れた手で触れるとかゆくなることが
ありますね。酢を手につけておくとかゆみを予防できるそうですよ。

秋分 雷乃収声(かみなりすなわちこえおさむ)

二十四節季 】秋分(しゅうぶん)9/22~10/8頃

昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に日の出が遅く、日の入りが早くなり、
秋分の日を中心とした1週間がお彼岸です。

【 七十二候 ・初候 】雷乃収声(かみなりすなわちこえおさむ) 9/22〜9/27頃

春分の末候「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」から増え始めた雷が鳴ら
なくなる時期です。「雷」は夏の季語ですが「稲妻」は秋を表す季語で、稲妻が稲を
実らせると信じられていたところからきているとのこと。

うかうかしていると、本当に季節はあっという間に過ぎ去り、いつの間にか秋分に
なり、5日ごとに区切られた七十二候はもう次の時候です、、、汗

彼岸ごろに咲く彼岸花はたくさんの別名を持っています。彼岸花は「まず花が咲き、
後から葉っぱが伸びる」という通常の草花とは逆の生態をもっているそうで、以前
見た埼玉県日高市の「ひだか巾着田」は、まるで萌える赤の絨毯といった感じで見
事でした。こちらは、山田湧水に水を汲みに行ったときに撮ったもの。行く途中の
田んぼの脇にあちこち咲いていて、とても綺麗でした。

風土・探訪記

日出町の湧き水「山田湧水」

様々な土地の風土や訪れた際の探訪記を綴りたいと思いながら、ここのコラムだけず
っとスタートできておりませんでした。やはり最初はお店のある日出町のことを。

日出町の人なら誰もが知っていると思いますが、お店から車で5分ほど山側へ上り詰
めた先に、「山田湧水」があります。

湧き水の多い日出町は、上水道の一部を湧き水で賄うほどに恵まれていて、その中で
も山田湧水は県内でも名水と名高いそうで、水汲みに訪れる人が後を絶ちません。
周囲には棚田が広がり、美しい景観が広がっています。

実は、ループシングスの珈琲は常連のお客様がご好意で汲んできてくださったこの湧
き水を使用してほぼドリップさせてもらっています。甘えてばかりもいられないので、
先日自分でも湧き水を汲みに行きましたが、本当に気持ちのよい景色が広がっていま
した。

明日は、この湧き水を使って六月八日の久恒さんがアロマスプレーのワークショップ
を開催してくれます。また、精油としての素材は耶馬渓の森でとれたもの。自然の恵
に触れながら、土地のものを活用し味わう暮らし。まさにお店でやっていきたかった
ことなので、本当に明日が楽しみです!!

白露 玄鳥去(つばめさる)

二十四節気 】白露(はくろ)9/7~9/21頃

昔の人は、草木におりた露が白濁してみえると夏から秋への切り替わりの合図として
いたようです。

【 七十二候 ・末候 】玄鳥去(つばめさる) 9/17〜9/21頃

春先にやってきたツバメが南の国へ旅立つ頃となりました。暖かい地域へ移動しなが
ら一年を過ごすツバメは、またまた来年の春先には戻ってきます。

急に気温が下がり、いよいよ秋到来です。そして、木々の葉っぱは紅く色づき、春同様色々な花が楽しめる時期でもあります。
白くくねくねと可愛らしい秋明菊。一輪だけで飾っても見栄えがよいので、華道にもよく使われるとか。秋にもおうちで”花かざり”を楽しんでみてもよいかもですね。

白露 鶺鴒鳴(せきれいなく)

二十四節気 】白露(はくろ)9/7~9/21頃

昔の人は、草木におりた露が白濁してみえると夏から秋への切り替わりの合図として
いたようです。

【 七十二候 ・次候 】鶺鴒鳴(せきれいなく) 9/12〜9/16頃

鶺鴒が鳴きはじめる頃。セキレイは雀より少し大きくて、白黒の長い尾が特徴ですが、
渡り鳥ではなく、一年中いる留鳥なのです。我が家の庭木にもよく停まりに来て、尾を
上下にふり可愛い鳥ですが、七十二候にあえてでてくるのも不思議です。

秋の植物、ススキに秋明菊、毬栗。
あまり秋は好きな季節ではありませんでしたが、秋の味覚はもちろん、季節を感じる
事柄、例えば秋にはたくさんの例大祭に訪れて見たり、秋に実る植物を愛でて見たり、
その季節にしか味わえない事柄を身近に感じてみると、秋という季節もだんだんと良
いなあと思えてきました。

先日は「賀来の市」「浜の市」を楽しみ、そして明日はいただいた栗をむいて栗ご飯。
町の風土を楽しみ、季節を味わうこと。お店のテーマでもあります。

浜の市:一文人形

さて、今日も西大分の柞原神社やかんたん港園で浜の市、みなとのフードフェスタ
など色々と開催しているようなので、また行ってみようかな。ただのお祭り好き店主と
言われても仕方ありませんが^^

白露 草露白(くさのつゆしろし)

二十四節気 】白露(はくろ)9/7~9/21頃

昔の人は、草木におりた露が白濁してみえると夏から秋への切り替わりの合図として
いたようです。

【 七十二候 ・初候 】草露白(くさのつゆしろし) 9/7〜9/11頃

露は放射冷却などで空気中の水蒸気が冷やされてできるもので、朝晩の気温が下がる
ときによく見られます。車社会や朝の慌ただしい現代人。道端や庭木の草木のわずか
な露の変化に気づき季節を感じるゆとりのある暮らし。時にはふとたちどまって、草
木に目をやるゆとりを持ちたいですね。

今日は久々に太陽の光が海面に反射して水面がキラキラと綺麗な別府湾です。青と赤
のコントラスト、、、自然界の色のコントラストは何でも綺麗に見えるから不思議で
す。窓から見える雲の形は、数分ごと変わり、まるでアートを見ているかのよう。
ぼーっと物思いにふけるのが大好きな店主なので、ただただ景色を見ながらぼーっと
しにいらしていただくだけでも大歓迎です^^

処暑 禾乃登(こくものすなわちみのる)

二十四節気 】処暑(しょしょ)8/23~9/6頃

処暑という言葉ですが「処」とは止まると言う意味で、つまり「ようやく暑さが収ま
り、和らいでくる頃」を意味しています。

【 七十二候 ・末候 】禾乃登(こくものすなわちみのる) 9/2〜9/6頃

稲などの穀物が実り始める頃。<こくもの>とは穀物のことで、「禾」は「いね」や
「のぎ」とも読み、稲・麦・稗・粟などの穀物を総称した言葉です。秋になるとたく
さんの穀物がみのりを迎え、冬に備えていくのですね。

庭でとれたイチジクとカボス。毎日少しずつ赤く売れていくイチジクを採っては食べ
てみますが、そのままよりジャムが一番美味しい気がします。そして大好きなカボス。
旬の時期のカボスは本当に香りが高く、何にかけても美味しくてこの時期我が家では
毎日にように食卓に並びます。

全国的にすだちの方が親みがあるかと思いますが、すだちとかぼすは全然違いますよ
ね。とそれぞれの名産地の人々は思っているかと思いますが、全国的にはあまりその
違いは知られていないようです。
すだちはこぶりで徳島が名産。スーパーなどで一年中みかけることができ、そのシェ
アは100%。カボスはもう少し大きめで大分が名産。初夏から出荷が始まり、9月ごろ
の旬に最も美味しくなります。

それぞれによさがあり、香りや酸味の特徴を知って料理で使い分けてみると面白いの
かもしれません。

とはいえ、大分に戻って旬のカボスを食すようになってからはすっかりカボスのとり
こです。焼き魚にかけたり、鍋のポン酢としてはもちろんですが、私の一押しは「茹
でしらす」にたっぷりカボスのみを贅沢にかけて食べる。はまります笑

ぜひ、旬の時期のカボスを味わってほしい。そろそろ庭のカボスがもう少し大きくなる
かと思うので、お世話になった方々に今年もささやかなおすそ分けをしようか。
そしてもちろん、カフェでホットドリンクとしてもお出ししますよー!!


処暑 天地始粛(てんちはじめてさむし)

いつかの賀来の市

二十四節気 】処暑(しょしょ)8/23~9/6頃

処暑という言葉ですが「処」とは止まると言う意味で、つまり「ようやく暑さが収ま
り、和らいでくる頃」を意味しています。

【 七十二候 ・次候 】天地始粛(てんちはじめてさむし) 8/28〜9/1頃

「粛」には、縮む、しずまる、弱まるという意味があり、空も大地もすべてが粛し、
改まるという意味があるそうです。

秋にはたくさんの秋祭り(秋例大祭)が各地で行われますが、春のお祭りや夏祭りと
どう違うのでしょうか。

日本のお祭りを語る上で欠かせないのが、農耕に関連したお祭り。
春は、種まきや田植えの時期で、豊作を願う祈願のお祭り。
夏は、害虫や災害からの厄除けの意味合いのお祭り。
秋は、収穫の感謝のお祭り。

祭りには必ず代々伝わってきた奥深い由来がそこにはあり、祈りや願いが強制的では
なく、皆で楽しみながら伝えられていく、祭りの醍醐味かもしれません。それぞれの
祭りの由来を知ることも楽しみ方が深まり面白いかもしれませんね。

大分では、一番早い大きな秋祭りは「賀来の市」でしょうか。長く大分を離れていた
私には、色々なお祭りや土地のことが今更ながら楽しく興味津々です。このお祭りの
由来も調べてから行ってみようかと。(大好きなお神楽も催されるようですし^^)

国分神楽社の大蛇退治は大蛇が4匹もでてきて迫力満点なのです♪

処暑 綿柎開(わたのはなしべひらく)

イチジク

二十四節気 】処暑(しょしょ)8/23~9/6頃

処暑という言葉ですが「処」とは止まると言う意味で、つまり「ようやく暑さが収ま
り、和らいでくる頃」を意味しています。

【 七十二候 ・初候 】綿柎開(わたのはなしべひらく) 8/23〜8/27頃

綿を包む柎(花のがく)が開き始める頃。綿の実がはじけ白いふわふわが顔をのぞ
かせた様子。冬のイメージのある綿ですが、熱帯・亜熱帯地域に分布し、ハイビス
カスやオクラを思わせる黄色い花びらが1日だけ開花し、この時期に実がはじけ、白
い綿が出てくるそうです。

写真は、夏果と秋果で成熟する時期のあるイチジクです。うちの庭のイチジクは、
8月の中旬~10月の中旬に実が成熟する秋果のいちじくです。毎日いづれかの実が赤
く熟し、はじけるとたちまち蟻がむらがるので、弾ける前に獲らなければならず、毎
日の観察が必要です。そのまま食べても美味しいですが、やっぱりイチジクはジャム
にすると最高に美味しいですね。