「お茶の小道具展」ご紹介②

神代杉 六瓢絵亀甲 / 清水 晃樹 作

「お茶の小道具展」11/30(火)まで開催中です。

茶道をずっと習いたいと思いながら、まだ習うに至っていないのですが、
おうちでお抹茶を気軽に点てて楽しんだり、茶道具にはずっと興味を持っていました。

そんな折ご縁で、お茶の先生を長くされていた方の道具を今回展示させてもらえる機会
をいただきました。お稽古で使用されていた道具になりますので、古道具としての販売に
なりますが、どちらも状態がよく綺麗なものばかりです。

今回、販売はしていないのですがとても珍しい棗や薄器、お茶碗など展示もさせて
いただいています。せっかくなので、ちょこっとご紹介です。

先生のおうちにお邪魔させていただきたときに、私の目に飛び込んできたのはこちらの神代杉でできたという薄器、とっても薄いつくりで持った時にその軽さに驚きました。

神代杉は、神代の昔から眠りつづけているという意味で、水中・土中にうずもれて千年単位の長い年月を経過した杉を神代杉と呼び、過去に火山灰の中に埋もれたものとされています。

自然がつくり出す色味や模様の美しさ、そしてこの薄さ一体どうやってつくったの?と私のような素人には全く想像できない作家・職人の巧みについつい見とれてしまいます。

つくられた方は 清水 晃樹さんという方で、人間国宝の故・氷見晃堂氏宅に住み込み弟子として十数年修業、 その後、主に国宝・重要美術品等の修復を手掛けている方だそうです。無病息災を表す6個の瓢箪も蓋をあけた内側に施されて秀逸です。

茶器 四角四神 / 山下 甫斎 作

こちらは先日お話しした山下甫斎さんの茶器。漆塗りの張り子のようなつくりでこちらもとっても軽いつくり。漆黒の黒の中に金で四神が見事に描かれていて、ただただかっこいい!!と稚拙な言葉ですが素直に感じました。

蓋の内側の梅の紋様も素敵です。

他にも金・朱・黒の塗りの美しさが感じられる棗、どちらも近くでみるとより一層その巧妙さに素晴らしいの一言です。

大棗 桐文金溜 / 正峰 作

金の蒔絵、少し盛り上がっているのですが、いったいどうやって?そもそも蒔絵とは?少し調べてみると、漆に顔料を混ぜて絵を描く「漆絵(うるしえ)」に対して、蒔絵は半透明の漆で絵を描いた上に、金粉や銀粉など色のついた粉を蒔(ま)くことで模様を浮き上がらせる技法のことで、日本の伝統工芸を代表する技術だそうです。

大棗 曙富士蒔絵 加賀塗 / 道場 宗廣 作

何度も漆を重ねて少し乾かしたりしながら絵柄を表現していくため、完成までに1ヶ月かかるものも多いようです。急ぐことなく丹念にじっくりと、その高度な技術、繊細さが蒔絵の美しさを生み出しているのですね。

大棗 蓬莱山蒔絵 越前塗 / 西村 弘峰 作

展示の期間、この美しさを眺められて贅沢だなあと目の保養をさせてもらいました。またどこかのタイミングで多くの方に見て触れていただく機会を設けられたら幸せです。