四季・風土雑記」カテゴリーアーカイブ

昔の人が感じていた季節の移ろい「二十四節気 七十二候」 のこと、
土地に根ざす食や文化、風習などについて気ままな雑記です。

立秋 蒙霧升降 (ふかききりまとう)

二十四節気 】立秋(りっしゅう)8/7~8/22頃

【 七十二候 ・末候 】蒙霧升降(ふかききりまとう) 8/18〜8/22頃

立秋の末候が終わり、次は処暑の初候へと変わろうとしている頃ですが、深い霧が立
ち込める時期となりました。

この深い霧、この時期でなくとも大分の人なら高速道路を走っていると味わうことが
たくさんあるように思います。

一度夜に走っていたときに、深い霧に包まれ数メートル先も見えない中で、高速道路に
点々と続く街灯がトワイライトゾーンのようにぼやけて輝き、このままどこかへワープ
してしまうのではないかといった思いをしたことがあります。

霧が立ち込めやすいのは、別府湾からの湿った空気がすぐ近くにそびえ立つ鶴見岳や
由布岳にぶつかって霧となり、付近に滞留するためだそうで、お店から別府湾や山を
見ていても、別府全体が霧に包まれているように見えることがよくあります。

山の中の湖に立ち込める幻想的な景色の霧なら、嫌いじゃない人も多いのではないで
しょうか。

今週クロシェットデボアさんが持ってきてくださった花は、ジンジャーという花で、
生姜の花とは別になるそうですが、ユリに似て白くて気品のいい香りを漂わせてくれ
ています。夏場にもこんな綺麗な花を咲かせてくれる植物もあるのですね。

立秋 寒蝉鳴(ひぐらしなく)

二十四節気 】立秋(りっしゅう)8/7~8/22頃

【 七十二候 ・次候 】寒蝉鳴(ひぐらしなく) 8/13〜8/17頃

朝晩がだんだんと涼しく感じ、ひぐらしの声が聞こえ始める頃。この蟬(せみ)、実際
には夏のあいだずっと鳴いているのだそうです。よく鳴くのは薄暮どきで、気温が急
に下がったときは日中でも鳴くのだとか。

個人的には、残暑から秋にかけての涼しくなるこの時期、ひぐらしの声をたっぷり聞
きながら、山の中でキャンプを楽しみたいものです。

写真は「岡山県いぐさのびんかご」。ボトルや野菜・果物を入れて台所などに吊るす
と、よい味わいの雰囲気になるのはもちろんですが、持ち運びの軽さ、通気性などを
考えるとかご・ざるなどはキャンプなどのアウトドアにももってこいなのではないで
しょうか。

立秋 涼風至(すずかぜいたる)

木々の色も少しずつ秋へと色づき始めています

二十四節気 】立秋(りっしゅう)8/7~8/22頃

夏が極まり秋の気配が立ち始める頃。二十四節気が成立した中国内陸部は気温が
下がり始めているが、海に囲まれた日本列島ではピークがずれ込み猛暑の時期と
なることが多い。季節の挨拶も暑中見舞いから、残暑見舞いにかわります。

【 七十二候 ・初候 】涼風至(すずかぜいたる) 8/7〜8/12頃

夏の暑い風から、秋の涼しい風に替わりはじめる頃。この頃から、カボスやト
ウガン、モモ、イチジク等のこれから旬をむかえる食べ物が並び始めます。

魚介類ではスズキやコチ。ナスも秋なすが美味しいと言われますが、本来は夏か
ら初秋にかけてが旬となります。

実り多き秋の気配が少しずつ始まっているのですね。


大暑 大雨時行(たいうときどきふる)

旬の野菜・胡瓜

二十四節気 】大暑(しょうしょ)7/23~8/6頃

【 七十二候 ・末候 】大雨時行(たいうときどきふる) 8/2〜8/6頃

その名の通り、ときどき急にふる夕立のこと。青空に入道雲が浮かびさっきまでの
青空が嘘のように、時には雷とともに大粒の雨を降らします。通り去ったあとは、
運が良いと虹が見られたり、気候の安定しない時期です。

この入道雲、土地によって「坂東太郎」や「信濃太郎」、「四国三郎」「筑紫二郎」
などの呼び名があるようで、昔の人は特別な雲の形に親しみを込めて愛称で呼んで
いたのかと思うと、突然の気候の変化にも余裕で受け止められる心のゆとりが感じ
られるような気がします。

この時期の旬な魚は「穴子」、旬な野菜は「トマト」「きゅうり」
写真のきゅうりは、お世話になっている方からのいただきもの。ざるからはみ出る
ほどの立派なきゅうり。もろみにつけて食べたり、キムチ水煮にしたり、やっぱり
ビールと合う食べ物ばかりになってしまいます^^

大暑 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

二十四節気 】大暑(しょうしょ)7/23~8/6頃

【 七十二候 ・次候 】土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) 7/29〜8/1頃

潤った土壌が、高い気温により暖められ、熱を発することや、熱そのものを「土熱れ
(つちいきれ)」といいますが、まさにこの時期の蒸し暑さを体現している言葉。

また、じっとりと蒸し暑いことを表す「溽暑 (じょくしょ)」は、陰暦6月の異称にも
なっているようです。

梅雨前に赤シソにつけていた梅を干す頃になりました。三日三晩天日干ししながら、
しっかりと夜露に当たることがしっとりと美味しい梅干しになるようです。
自然の気候を利用してつくられる保存食、本当によく考えられているものです。

酸味は疲労回復、塩気は熱中症対策にも。梅干しは万能ですね。この夏の猛暑も食や
涼の両面で乗り切っていきたいものです。

大暑 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

ガマの穂:多年草植物(装花:クロシェットデボアさん)

二十四節気 】大暑(しょうしょ)7/23~8/6頃

一年で一番暑さが厳しいとされる時期。梅雨が明け、一気に蝉の声と太陽の日差しを
浴びる本格的な夏到来です。「涼」を感じる昔からの暮らしの知恵として「打ち水」
や「風鈴」など、身近に取り入れて見るのもよいかもしれませんね。

今年は間に合いませんでしたが、色々な素材の風鈴をあつめた「風鈴市」を開催した
くてたまりません。。来年こそは!!


【 七十二候 ・初候 】桐始花結ぶ(きりはじめてはなをむすぶ) 7/23〜7/27頃

桐の実がなり始める頃。桐始結花とは、桐の花が実を結び始める頃をさしますが、
紫色の桐の花は4~5月に開花を迎えます。今年咲いた花の実の房の隣に翌年の蕾
が付いています。これが「結花」 と言われた語源になっているといわれているそ
うです。


昔の人のように、身近に植物の移ろう様を感じ、「気づき」が持てる心のゆとりの
ある暮らしを送りたいものです。

小暑 蓮始開(はすはじめてひらく)

臼杵:石仏の里の蓮池

【 二十四節季 】小暑(しょうしょ)7/7~7/21頃
【 七十二候 ・次候 】蓮始開(はすはじめてひらく) 7/12〜7/16頃

蓮の花が咲き始める頃。蓮の命は4日と言われるほど短く、まだ薄明かりの早朝から花が
開き始め、昼過ぎには閉じてしまうそう。これを3日間繰り返し、4日目には花びらは再び
閉じることなく散っていくそうで、儚くも神秘的な花です。

また花の中心部分が蜂の巣に似ていることから「ハチス」が転じて「ハス」になったとも。

こちらの蓮の写真は、常連のお客様よりいただいたもの。臼杵の石仏に咲く蓮の写真です。
臼杵の蓮祭りが7月28日まで、行われているようです。

常連のお客様は、蓮を見に行くなら早朝の蓮の葉に雫がぽつんと乗っている様が一番綺麗
だとおっしゃっていました。お客様から短い期間にしか見られないあちこちの季節の景色
をお話伝いに聞くのがとても楽しみです。

小暑 温風至(あつかぜいたる)

二十四節気】小暑(しょうしょ)7/7~7/21頃
この頃から日は短くなり始める一方で、梅雨明けの夏本番を迎えます。小暑と次
の大暑の間を景気と呼び、風習として「暑中見舞い」や「お中元」を送るのもこ
の頃。七夕など昔から現代まで続いている風習と、なくなっていく風習。その線
引きは何でしょうか、、、

【 七十二候 ・初候 】温風至(あつかぜいたる) 7/7〜7/11頃
気候の変化を区分けした二十四節気とは違い、動植物の登場を季節の移り変わり
の目安にされていることが多い七十二候ですが、昔の人もさすがにこの時期は熱
風の存在をあげずにはいられなかったのでしょうね。

この時期の旬といえば「鱧(はも)」や「すもも」。日出町は鱧の産地であり、
毎年<はも祭り>があるようですが、今年はいつ頃でしょうか。できたら大神
漁港の過去の朝市で提供された 鱧の唐揚げ、はものしゃぶしゃぶ、鱧カツバー
ガーを食べてみたいものです!!

自家製うめシロップのソーダ割、180円(税込)で本日より提供しております。
よく漬かって美味しくできましたので、ぜひ飲みにいらしてくださいね^^

夏至 半夏生(はんげしょうず)

【 二十四節気 】夏至(げし)6/21頃~7/6頃 
【 七十二候・末候 】半夏生(はんげしょうず)7/2〜7/6頃

もう夏至の末候となり、次は梅雨が明ける小暑となるはずですが、梅雨明けは
まだまだ先になりそうですね。半夏とは、カラスビシャクという畑に生えてく
る雑草のことで、漢方薬の材料にもなり、それが生えてくる頃をいいます。

先日漬けた梅がいい頃合いになってきました。冷凍してから梅を砂糖漬けする
とエキスがでやすいようで、ひとつだけ試したものは色味が濃くエキスがよく
でているようです。さてお味は〜、、、もう少しで梅ソーダがメニューに加え
られそうです!^^

夏至 菖蒲華(あやめはなさく)

別府市:神楽女湖・花しょうぶ

【 二十四節季 】夏至(げし)6/21頃~7/6頃 
【 七十二候 ・次候】菖蒲華(あやめはなさく)6/26〜6/30頃
あやめの花が美しく咲く頃です。
とても見分けがつきにくいとされる、<あやめ>と<しょうぶ>は漢字で書くと、
どちらも「菖蒲」。
また「いずれがあやめ、かきつばた」といわれるように、杜若(カキツバタ)も
またアヤメと見分けがつきにくいとされ、ますます見分けるなんて無理そうです。
写真は神楽女湖に咲くショウブの花です。6月初旬のまだこれから満開といった
ところですが、由布岳をバックに紫のグラデーションがとても綺麗でした。

日出町:日出若宮八幡神社

さて、昔からこの時期の行事とされていたのが、
<夏越えの祓え(なごしのはらえ)>の「茅の輪くぐり」。
六月末日は大晦日に対応する「大祓え」の日で、各地でけがれや厄災を祓う
神事が行われます。

チガヤを編んだ茅の輪をくぐって厄を祓う「茅の輪くぐり」を日出町では
日出若宮八幡神社で行うことができます。
ループシングスもお清めに茅の輪をくぐりに行ってまいりました。
節目節目を大事にする日本の習わし、、、けっこう好きです。